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家に帰って…。
オレは、みんなと別れて、家に帰った。玄関に入ると、見覚えのある後ろ姿のおばちゃんがいる。ヒロの母親だった。黒い服を着ている。いつもは、もっと派手な服を着ているのに。
「おばちゃん、こんにちは!」
おばちゃんはオレを見て、泣いている。そして抱きついてきたんだ。オレは、なにがなんだかわからない。オレの、かーちゃんが代わりに言う。
「ヒロくん、亡くなったんだって」
――いや、さっき会ったよ! そんなのおかしいよ!―― オレは、口には出せなかった。
ヒロが死んだ原因は、ただの風邪だったんだ。でも、なんとかという菌が、どこやらややこしいところに入り込んで、肺炎で亡くなったそうだ。オレはそのまま、おばちゃんと一緒に、ヒロに会いに行った。ヒロは、寝ている。もう目を覚まさない。ヒロは死ぬまで、オレのことを心配していたんだよな。――今でも親友だよ、ヒロ。また会いに来てくれよ――
しかしヒロはもう二度と、会いに来てはくれなかったんだ。
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