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「お兄ちゃん」
上中一成(かみなか・かずなり)はその日、
下校中に商店街を一人で歩いていると、
背後から声をかけられた。
一成は、
お兄ちゃん、
と呼ぶ声が自分のことを差しているのだとすぐにわかった。
声の主は、
一成のスボンを手で掴んできた。
一成が振り向くと、
そこには、
女の子がたっていた。
薄いピンクのワンピースに、
ショートヘア、
妙に大人っぽい顔立ちの少女だった。
「あそこに、
不良がいるでしょ?」
女の子は、
通りの奥を指差していった。
「あたしのお願い、
不良をやっつけて」
一成は、
発言の意図がのみ込めないでいた。
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