第1章

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「やっつける?」 「そう。 殴って、 やっつけるの」  一成は女の子が差す方へ目をやった。  二十メートルほど先、 ゲームセンターの入り口に、 二人組の姿があった。  金髪と坊主頭の、 ガラの悪そうな男たちが地べたに座り込んで談笑していた。 二人とも、 タンクトップにジーンズとラフな格好だった。 歳は、 一成より五つほど上に見える。 一成には、 どちらも面識のない男だった。  なんだ子供もいたずらか、 と無視して立ち去ろうとした上中に、 まって、 と女の子の声がかかった。 「わかったから。 それじゃあ、 あたしになにかあったら、 すぐに警察を呼んでね」  女の子は一成にそう言い残すと、 一人で歩き始めた。
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