第1章

2/2
前へ
/2ページ
次へ
「やっとお気に入りのジャケット着られる季節になって嬉しいな~。ね、ツネ子さん、可愛いでしょ?」 「………なぁ、武正。」 「またかよ、犬。今日は何だ?」 「汐里に教えてやってくれんか?…ジャケットにクリーニングのタグ付いたままだって。」 「へいへい。しっかし、テレパシーなんてもん使えるのに何で毎日本人に直接言わないんだよ?」 「汐里はな、儂のことを10年も雌の狐だと信じこんでるような鈍感なヤツじゃ、テレパシーなんか通用せん。」 「…マジかよ…!?タグより先に、それ教えたほうが良くないか?」 「無駄だ…。汐里の家族も儂を狐と思っておるからな、周りが何度犬だと教えても信じてはくれんのだ……。」 「……そう、か。」
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加