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王はあえて王子たちを名指しした。せめて、差し出すなら王子である。姫を手に入れる者が、一介の兵士であっては、国の姫たる誇りを失ってしまいかねない。
運が良ければ、正室として迎えられよう。
王は急遽城の対面の離れた地に塔を築いた。名を"籠の塔"と呼んだ。大国を皮肉るための命名である。
「籠の中には、南国一のさえずりが入っています。欲しい者には差し上げましょう。大陸一の嗜好品です。最強な王子方、是非見せてください、惑わぬ姿を。あの籠の塔を登る勇気を」
王が築いた塔は、石造りの土台の上に竹を編んだ大きな部屋が載っている。鳥籠のようなその部屋に、王の娘サラ姫が入った。
そうして王は、小鳥を奪い合うため競う大国を皮肉ったのだ。
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