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「・・・・」
ムドウは、タバコも吸わずにあるものとにらめっこをしていた
まだ暑い夏の風が舞うなか開けてあった窓のカーテンだけがヒラヒラと揺らめいて遊んでいた
一軒家の家の中に土足で入っているが、それを咎めるものはもういない
周りを見回しながら頭をかき呆れる
「こりゃまた・・・・見事にやったもんだ
お陰で仕事が増えるぜ」
そんな中、一人の部下が声をかけてきた
「警部!こっちにも発見されました!」
「お~、状態は?」
部下の首を横に振る姿をみて「・・・・そうか」と複雑そうに答えた
「毎度見ても気持ちのいいもんじゃねえな・・・」
ムドウはもう一度、あたりを見渡す
あちこちに散らばった手や足の指
水遊びがされたようにまき散らされているおびただしい血液
そして、頭、体、手足のすべてが違う主から取ってパズルのように並べられた死体
ムドウが今立っている場所は昨日起こったであろう殺人事件の凄惨な現場であった
むわりとした熱さと死体から発せられる生臭さを嗅ぎ
ひどく喉の渇きを感じながらそこに立っている
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