第4章

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人に《闇》を滅する事は出来ない。 《闇》を切っても煙が揺らぐごとく空に漂い、のちに人型へと戻る。 《闇鬼》を切ればどうか。 器となった者の肉体が滅ぶのみ、《闇》は器を捨て新たな器を探し襲うだろう。 《闇》を滅する方法はないのか。 《闇祓》と呼ばれる者たちがいる。 《闇》と同じ様に彼らもいつから、どこから現れたのか。 それは《闇祓》達にもわからない。 《闇祓》には生まれ持った力がある。 《闇》を切ればそれは凝りとなって二度と《闇》には戻らない。 《闇鬼》を切れば《闇》は器ごと死す。ただ器の血は凝りとなる。 そこ彼処に《闇祓》の里がある。 人は《闇》が現れれば《闇祓》に討伐を依頼する。 《闇祓》はそうやって生計を立てる。 《闇祓》は《祓里》から生まれる、里以外の者から産まれる事はないと言われている。 《祓里》では子が5歳になると《闇祓》としての鍛錬を始める。 幼いうちから鍛錬せねば《闇祓》が《闇鬼》と化してしまうからだ。 凝り、それは《闇》の死骸、しかし長く凝りに触れればそこには《闇》が染み付く。 武器などは炉にくべ破棄する。 《闇鬼》の返り血を浴びればそこから《闇》が染み着き染まってゆく。 ゆえに鍛錬をし《闇鬼》を打ち倒す技を磨く。 でなければ自身が《闇鬼》と化す。 《闇祓》の引退は早い。ある程度凝りが染み付けば引退せざるをえないのだ。 《祓里》では5歳で鍛錬を始め15歳で一人前として《祓》の依頼をうける。
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