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「お届け物がございましたので、お部屋にお持ちしました」
ホテルの部屋に戻るとマネージャーが言ったとおり、テーブルの上に細長い箱が置いてある
アメリカからの航空便。ニューヨークに本店のある芸能人御用達のジュエラーからだ
「無駄になったな」
日本に来る前に修理を頼んでいたのだ。あの鎖の切れたネックレスを…
まさか、こんな形で再会するとは思ってもいなかったが
心の準備も整わないまま彼女に会って、見事に撃沈…一度切れた鎖を修復しても、もう元には戻れないのだと思い知らされた
明日からは上司と部下として一緒に仕事をしていかなければならない
この気持ちは今日で封印する。もうすでに違う道を歩み始めている彼女の妨げにならないように
それがオレに出来る唯一の罪滅ぼしなのだ
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