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「こんなに小さいのに、お母さんがいないなんて…」
まだ若くて純粋な美咲はそう言って涙ぐむ
だけどオレは当然の報いだと思った
それほどのことを紗栄子はしたのだ
オレが調べたところによると、香織の父親の会社が傾くきっかけになった資金の焦げ付き。それも紗栄子の差し金だった
そして素知らぬ顔で融資を持ちかけ、香織に交換条件を突きつけた
香織はそれを飲むしかなかったんだろう。大切な父親のためにその身を投げ出した…彼女がやりそうなことだ
その時オレは何も知らずに、自分だけが傷ついたと思い込んでアメリカに逃げた
彼女は逃げることも許されずに、意に染まぬ相手に蹂躙されていたというのに
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