未来への翼

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気が付くと先輩の腕の中にいた 「香織…ごめん…ごめんな」 背骨が折れそうなほどきつく抱きしめられて苦しくて涙が出る そのまましがみついて声をあげて泣いた 生まれてこれなかった可哀想な赤ちゃん ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい 無事に生まれたとしても、あの男の子供だと思うと愛してあげられる自信はなかった そのことにも、きっと赤ちゃんは気付いていた 愛されてもいないのに命だけを与えられる…なんて残酷なことをしたんだろう 考えるだけで胸が握り潰されるように痛い
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