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「尊、待ってよぉ」
緩いカールを揺らして紗栄子がついて来る
片足を引き摺りながら…
「お前、その歩き方癖になるぞ」
「あっ、そうだった」
ペロリと舌を出して、悪戯が見つかった子供のような顔をする
「尊にはバレちゃったんだから、もう演技しなくていいんだ」
そう言ってスタスタと歩きだした
「ねえ、今日も香子さん、いるかな?」
「いるんじゃないの?」
「やった!遊びに行っていい?」
紗栄子と歩くとすれ違う人は皆、振り返る
透き通るような白い肌に大きな瞳が印象的な、お人形みたいに可愛い紗栄子
皆知らないんだ。この可憐な姿の奥に潜む悪魔を…
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