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紗栄子の『許婚者』とはいうものの、紗栄子はオレに指一本触れさせなかった
自分からはベタベタと腕を組んだり、思わせ振りに見つめあったりするのに…紗栄子が欲しいのはオレの『彼女』というポジションだけだったんだ
外から見ればオレは不動家の御曹司だったから外見と家柄だけに惹かれて寄って来る女は沢山いた
当て付けのように片っ端からそういう女に手を付けても、紗栄子は眉ひとつ動かさなかった
誰も本当のオレを見ていない
沢山の女を侍らせて、どれだけ肌を重ねても満たされない…オレはもう窒息しそうだった
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