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『ぼうや、心配してくれるのかい？』
この火事で全財産を失った、と大人達が言っていた
そう言われている本人とは思えないほど、穏やかで自信に満ちた声だった
『大丈夫、私は何も失っていないよ。本当に大切なものはここにある』
そう言って指で頭を差した
『全部、ここに入ってる。私が生きている限り、それは誰にも奪えない。私だけのものだ』
その力強い言葉に憧れた
オレも、そんな風に言える人になりたい
黄金色に染まる景色の中で、彼の背中に生えた翼を確かに見た
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