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「……いや、いい。」
なんかよく分からないが、少し声が暗くなった気がした。
「……自分の弟を褒めるのも気が引けるが、世間一般的に見て、顔は整っていると思う。」
さっきのが気のせいかと思うような、ごく普通の態度。……気のせいだったんだな。
「社長とどっちがですか?」
瞬間、社長の足が止まった。
あれ?と思う間もなく、またすぐに歩き始めた。
「どうかしたんですか?」
「何でもない。」
上目遣いに見上げれば、心なし耳が赤い気もする。……気のせいかな。
「そういえばこの後どうしたらいいですか?」
まだ2時前だ。3時からの研修にはまだ少し早い。
「社長室で少し説明をする。」
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