第3章

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あれ?!これ31から33階までのボタンがないっ! わからん!とりあえず一度出よう……。 『開』ボタンを押してドアを開けると、スラリとしたスーツが目に入ってきた。 驚いて顔を上げると、茶色味掛かった明るめの髪をしたイケメンが首を傾げて立っていた。 「どうしたの?乗らないの?」 涼やかな声で聞かれて、思わず見惚れていた事に気付く。 「ぃやっ、あの!行きたい階に行けないみたいで!」 思わず声がひっくり返る。は、恥ずかしいっ! 「何階に行きたいの?」 オレの裏返った声の事を笑う訳でもなく、穏やかに聞いてくれるこのイケメンは、天使だろうか。 嬉しいのとホッとしたので、犬だったら絶対尻尾がフリフリ振り回されてたと思う。 「32階の第1会議室です。」 「ああ、新入社員?」
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