噂の幽霊

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家へと帰ると妹の明美が学校から帰宅していた。 「健兄ちゃんおかえり」 玄関まで出迎えてくれた妹は なつかしい中学校の制服を着ていて、 小学生時代のおぼこさが消え 少し大人の女性に近づいていた。 「おお、明美ただいま、おっきくなったな」 「そりゃもう中学生だからね。 健兄ちゃん帰って来なさすぎ」 「大学生にもなるといろいろあんの!」 そう言うと、2階にあがって部屋着に着替えて リビングにおりてくると、 母と妹で食事の準備をしていた。 私は晩御飯ができるまでソファーに座り さきほど買った本の続きを読んだ。 「何読んでんの?」 食卓テーブルにすき焼きの具材を運んできた 妹は、そのまま私のところに歩いてきて 本を覗きこんだ。 「へーお兄ちゃんこんなの読むんだ。」 「目に止まったから買っただけだよ。」 「ふぅーん怖い?」 「見たいか?」 私はにやりと笑った。 「えー、いらない」 そう言うとキッチンにもどって行った。
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