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「おまえ、おもしれえな。 なるほど、楕円形だもんな」 ツボにハマったらしい彼は、再び笑い転げる。 いささか情けないけど、これをきっかけに、 急速に距離が縮まった私達。 食事にカラオケにと、交流が始まった。 そんな付き合いがしばらく続いたある日、 たまたまオフだからと、彼に誘われて出かけた、 市民公園のライトアップセレモニー。 女神は私に微笑んだ。 色とりどりのライトが幻想的に光る中で、 「奈緒、俺の彼女になれよ」 俺様な言葉とはうらはらに、ちょっと 照れくさそうに、亮輔さんがそう言った。 嬉しくて泣き出した私を、亮輔さんは優しく 抱きしめ、好きだと言ってくれたのだ。 「あの時は夢を見てるのかと思ったなぁ」 そうして、恋人同士になった私達。 私の想いはますます深まり、以前よりも もっと、彼のことが大好きになっている。 「おーい、君、そろそろグラウンド閉めるよ!」 「え?やだ、大変!」 管理員のおじさんの声に我に返った。 思い出に浸っている間に、周りは誰も いなくなっている。 グラウンドを出て、待ち合わせ場所に急いだ。 「良かった。亮さん、まだみたい」 「待ったか、奈緒」 辺りを見回し、ほうっと白い息を吐いた途端、 フワリと背中から温もりに包まれた。 「亮さん、お疲れ様」 「ん、なんだおまえ、こんなに冷たくなって。 中に入って待てって、言ってんのに」 ちょっと怒った口調で、肩越しに振り返る 私の頬に、自分の頬をスリスリする。 クラブハウスの中が、温かいのは知って いるんだけれど…… 1人で入るにはちょっと勇気が要る。 「おーい、亮輔。おめー何度言ったらわかる。 公共の場でイチャつくな。独り者もいるんだぞ!」 「す、すみません、広瀬さん。亮さん、離れて。 恥ずかしいよ」 後から出てきた副キャプテンの広瀬さんが、 背中に張り付く亮輔さんの背を叩いた。
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