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その俺が、奈緒と出会い、人となりを 知るにつれ、温かな笑顔と、人を和ませる 優しい性格に惹かれた。 いつも真っ直ぐに、迷い無く俺を見てくれる 奈緒が、可愛くて仕方がない。 付き合おうと言った時も、確かに奈緒を 好きだと思っていた。 けれど、これほど嵌るとは、正直あの時は 思ってはいなかった。 「よし、少しは温まったか?」 「うん、ありがとう」 「続きは帰ってからだな」 「もう十分温まったけど?」 「体も冷えてるだろ?そっちは帰ってから たっぷり温めてやるからな」 額をくっ付けてニヤリと笑うと、ルームライトの 明かりでもわかるほど、真っ赤になった。 この反応が見たくて、奈緒をからかう のが止められない。 奈緒に関する限り、俺はけっこうSだと思う。 しかたがねえ、奈緒が可愛いのが悪いんだ。
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