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二人の娘はすやすやと眠っていく。
旦那は結婚10年目の記念にネックレスを用意してくれた。
私は幸せだ。
そしてこの幸せを手放す気も無い。
だけど…
部屋に残るソファを見つめる。
ここに座っていた彼と居た時間も幸せだったの。
どうか私を消してください。でも消せないの。
どうか私を許してください。
旦那を愛し、娘を愛するこの生活が幸せであることは間違いないのだけど、
見えない、消えない、手に出来ない、刹那の期間で燃えたこの恋に未だに溺れているのも私なの。
ソファに背を向ける。
ああ…
またあの苦い臭いが私の脳を打ち抜いてみせた。
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