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あれから何日がたった。
葬儀やらあったけど…未だに現実を受け入れられない。
今でも、兄は普通に帰ってくるんじゃないか…。
「三咲!」
「!!おにぃ………」
声だって聞こえるもの……
死んでなんか……
「三咲…」
「お父さん…お兄は?まだ帰ってこないの?」
「三咲、お兄ちゃんは……もう」
「…………ミサンガ」
「ミサンガ?」
「お兄に、また作ったの。試合勝てるように」
「三咲……」
兄は、もうすぐ空手の試合がある。
頑張って練習してたもの…試合が近くなったら私は兄にミサンガを作って渡す。勝てるように。
毎回兄は喜んでくれた。だから今回だって、喜んでくれる…。
笑って、ありがとうって。
「三咲…明日は学校…行くのか?無理しなくても…」
「行く」
「…そうか」
兄はもう居ない…
分かってる…
分かってる…信じたくないだけ。
葬儀とか目の前でしたのだから、沢山の人達が来てくれて、泣いてる人達も居て……
なんでかな?
私は泣けないの
涙が出てこないの
悲しい…寂しい…
でもそれ以上に……
私の心はなんだか、黒くて…歪んだ様な世界に居るみたい………。
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