人を殺した

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それは本当に一瞬。 神経を研ぎ澄ませていなければ気付かないほどの極短い、四分音符のような。 しかし聴こえる者には嫌にはっきりと聴こえる、そんな音。 そんな音が数回この暗い路地裏に響き渡ると同時に、目の前の女が崩れ落ちる。 そして、その回りには赤い水溜まりが出来上がり、辺りには鉄の臭いが振り撒かれるのだ。 これで晴れて、俺は本当の人殺しになった訳だね。
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