死にたがりが死人になる話

人を殺した

まだ人を殺していない、しかし人は死んでいく。

その実俺の回りでは、何故かよく人が死んだ。

仲良くなった友人、優しくしてくれた隣人、学校の先生まで。

あるいは事故で、あるいは放火で、あるいは通り魔で、あるいは強盗で、みんな死んでいった。

故に、まだ人を殺していない人殺しなのだ。

そして俺は、それが当然であるかのように迫害され、虐げられ、攻撃された。

だから俺は誓った、幼心に、ねじまがった自らの正義に。

『どうせ人殺しと言われるのなら、本当に人を殺そう、そして…自分も死んでしまおう』

そう、深く心に誓ったのだ。