第1章

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しかしごめん、どーでも良い。 この人のせいでやたら視線を浴びて居心地悪いことこの上ないし。 とっとと案内を終わらせたいと、私はそれだけだった。 「化学部、まだ存続してたんだねぇ」 「...ホントですねぇ」 私の正直な反応に、その大学生は小さく噴き出す。 いや、別に笑いを取ろうとしたわけじゃないから、無理して反応しなくていいよ...って、違うか。 私、気を遣わなさ過ぎだね? さすがの私も、彼に労わるような視線を向けた...途端に。 「椎名先生に気に入られてるってことは、深井さん、化学苦手でしょう?」 ズバリ言い切られる...しかも、何かやたら誇らしげ。 ちぇ。 「センセイは、さぞやオトクイでいらっしゃったんでしょーね、化学」
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