第1章

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悔し紛れに呟いたセリフに、よもやの食いつき。 やばい。私、やばい。 相対性理論なんて、その名前とバックトゥーザフューチャーとインターステラーくらいしか知らないデス。 知ったかぶってすいません。 でも熱く語り始めたセンセイに、私のその場しのぎの言葉を責める雰囲気などなく。 心の底から楽しそうだった。 「想像的な予測とそれに伴う緻密な思考、それにより出されたシンプルな結論。 それ自体がまず美しいけど、でもその理論が、その後科学の進歩によって実証されるって、凄いよね。 事象の観測からの推測が普通なのにさ。 天才の学問への貢献って、こういう飛躍にあるよね。ホント、カッコいいよ。 こういうケースって、実はアインシュタインだけじゃないんだよ」
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