伝わる想い。

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「えっ!?異界人が来てるのっ!?」 執事の話によると、今朝、母上が海岸を散歩していると、浜辺に打ち上げられていた異界人を発見したらしい。 異界人に寛容な国なので、当然保護したらしく、先程この城に運び込まれたらしい。 「うわっ!会いたい!異界人なんて初めてだ!」 僕のテンションがうなぎ登りなのを察した執事のセバスチャンは、小さく溜息をつくと、僕に忠告した。 「アルフォンス殿下…異界の方はまだ体調が優れないご様子なので、無理に会いに行かれない様にして下さいませね。」 「はぁーい…」 ソファにボスッと行儀悪く座って、面白くなさそうに答えた。 「では、本日のご予定ですが…」 僕の今日1日の予定を伝えるセバスチャンの声は、頭に留まる事なく耳を通り過ぎるだけ。 どうせ今日も同じ事の繰り返し。 なれもしない国王に成る為の勉強、勉強、勉強… 王位継承権第3位な上に、側室の僕なんかが国王になれる訳無いじゃん。 こんな王城に閉じ込められてるぐらいなら、どっか辺境の土地にでも追放してくれた方がよっぽと気楽でいいよ。 「ーと、なっております。」 「はいはーい。じゃ、先生が来るまで下がってていーよ。」 セバスチャンは一礼して、部屋から出て行った。 よし。異界人を見に行こう! 僕はバルコニーに出ると、得意の魔法を唱えて空中へと躍り出た。
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