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夜はバイトがあるからと、練習が終われば一足先に部室を後にする。後ろ手に閉めたドアには、『野球同好会』と書かれた簡素なプレートが貼り付けられていた。
「不在着信一件……」
そのまま真っ直ぐ駐輪場へと向かう途中、思い出したようにジーンズのポケットから携帯を取り出した。画面を眺めながら履歴を確認すると、そこには『仲矢遼介(なかやりょうすけ)』と言う名前が残っていた。
無意識に漏れる溜息。そこに新たに一件のメールが届く。同じ仲矢からだった。
「あー、やっぱ連休は無理か」
我ながら白々しく呟いて、後は返信することもなく携帯を閉じる。
電話をかけてきたのも同じ用件だったのだろう。メールの内容は、明日入れていた飲みの予定を、延期したいと言うものだった。
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