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「るんらるんら……ふぁ!?」
秋の小道を散歩中、出しぬけにAの足元から鳩が飛び立った。
真っ白な鳩が、何羽も。
「あ――」
一体どこに隠れていたんだろうか。
まるで仰々しいイベントの開会式のように、羽音を立てながら白い羽が空へと舞い上がる。
それぽかんと見上げていたAの口から意外な言葉が零れた。
「私の言葉が鳩になった!」
まさに、そうとしか思えないタイミングだったから。
それを遠くから眺めていたBが小さくつぶやいた。
「――俺の言葉が、彼女のハートに届けばいいのに……」
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