第1章

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「るんらるんら……ふぁ!?」  秋の小道を散歩中、出しぬけにAの足元から鳩が飛び立った。  真っ白な鳩が、何羽も。 「あ――」  一体どこに隠れていたんだろうか。  まるで仰々しいイベントの開会式のように、羽音を立てながら白い羽が空へと舞い上がる。  それぽかんと見上げていたAの口から意外な言葉が零れた。 「私の言葉が鳩になった!」  まさに、そうとしか思えないタイミングだったから。  それを遠くから眺めていたBが小さくつぶやいた。 「――俺の言葉が、彼女のハートに届けばいいのに……」
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