第1章

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少女はただベッドの中で台風が過ぎるのを待つしかありませんでした。 そして、四日目の夜、ようやく台風が過ぎ、星が綺麗に見えるようになりました。 少女は大喜びしました。 「ママ、ようやくお星様が見えるようになったね。向こうの星の子が応援してくれているから頑張らなくちゃ。私も頑張るからあなたも病気に負けずに頑張ってって伝えたいの。 でも、今日はいつも見えている明るい星が見えない。ママ、 なんで?」 少女が力無く星を指差しました。 パパもママも一緒に星を見上げました。空には綺麗な北斗七星が見えています。そして、寄り添うようにいつも少女を支え続けていた光る青い恒星が光っていました。 ふとママが振り返って少女を見た時、 少女は安らかな寝顔を浮かべ、ママの手をしっかりと握りながら息を引き取っていました。 それから、パパとママは毎日夜になると星を見上げます。 星のパレードにもう一つ明るい星が加わりました。天に昇り、星になった少女は いつまでもパパとママを明るく照らし続けました。 おしまい
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