第1章

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『わぁ~見てください!たくさんの鳩が居ますよ~!』 「ワンッ」 すれ違う時に透き通った君の声が、僕の耳に聞こえてきた。 当然彼女は僕にではなく、連れている犬に対しての言葉だったが… 「あははは!落ち葉もいーぱい! もう…すっかり秋なんですね! ね、ポチの助!」 「ワンワン!」 彼女は一度空を泣きそうな顔で見上げると、また笑顔に戻って犬を見た。 ポチの助と呼ばれた犬は、元気に返事をしながら彼女を見上げる。 「…ポチの助、秋になるとね 食欲の秋とか、読書の秋とか言うけど 私には恋愛の秋にしたいんです! だから……秋一(しゅういち)さん! 私と付き合って下さい! 一年前のあの日からずっと好きでした!」 彼女は急に見惚れていた僕の方を振り向くと、 真っ赤な顔をして好きだと叫んだ。 彼女の元に僕は走り寄り、抱きしめて頷いた。 完?
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