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『わぁ~見てください!たくさんの鳩が居ますよ~!』
「ワンッ」
すれ違う時に透き通った君の声が、僕の耳に聞こえてきた。
当然彼女は僕にではなく、連れている犬に対しての言葉だったが…
「あははは!落ち葉もいーぱい!
もう…すっかり秋なんですね!
ね、ポチの助!」
「ワンワン!」
彼女は一度空を泣きそうな顔で見上げると、また笑顔に戻って犬を見た。
ポチの助と呼ばれた犬は、元気に返事をしながら彼女を見上げる。
「…ポチの助、秋になるとね
食欲の秋とか、読書の秋とか言うけど
私には恋愛の秋にしたいんです!
だから……秋一(しゅういち)さん!
私と付き合って下さい!
一年前のあの日からずっと好きでした!」
彼女は急に見惚れていた僕の方を振り向くと、
真っ赤な顔をして好きだと叫んだ。
彼女の元に僕は走り寄り、抱きしめて頷いた。
完?
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