2. 幼馴染みは出会い頭からオカシイ

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 私が嘘をついているとは思わないにせよ、何らかの精神疾患的な妄想に振り回されているのではという疑いは、あーちゃんの中には無いのだろうか。  そんなことをボンヤリ考え散らしていると、あーちゃんがはにかみながらクネクネと動き始めた。  照れているらしい。 「これ、結構似合ってない? かわいーだろ?」  スカートの裾を指で摘んでヒラヒラさせ、更にはクルッと回ってポーズをとるあーちゃん。  いや、そこを注視していた訳ではないのだけれど……と思いつつ、まじまじと見遣る。  確かに、とてつもなく可愛い。  ウィッグであろうツインテールも、少女らしい華奢な体つきも、小振りな童顔も、低い背丈も、この上ない可愛さだ。  小学生の時から頑張ってバスケしているのにね...若干哀れなほど、完璧な仕上がりだった。 「めちゃカワイイ。制服、買ったの?」 「ん。後で若菜にあげれば良いって、兄ちゃんが店で買ってきた。ちゃんと新品だから安心して」 「いや、あーちゃんが使ってる時点で既に中古だよね」  あーちゃんがあんまり誇らしげに言うものだから、つい突っ込んでしまう。  値段を思えばその気遣いは勿論有難いけれど、元々私にとって不要なものだ。 「あ、や、そーだけどッ。そんなッ気にしなくたっていーだろッ」 「……うん。まぁね?」  淡々と次の話題に進むつもりだったのに、あーちゃんがやたら絡んでくる意味が判らなくて、少し空気がざらついた気がする。
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