2. 幼馴染みは出会い頭からオカシイ

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 別に、真咲(まさき)や私たちがゴリラみたいな顔つきをしているという訳ではない(多分)。  ただ、ガッシリした体格の肉体派は確かに多い。男子がいないので力仕事もみんな率先してやるし、部活動が盛んで体育会系な雰囲気も強い。  そんな理由で、橘女学園生が『橘ゴリラ』と自虐する伝統(?)があり 、真咲(まさき)もやはり、長身で筋肉質という典型的な橘ゴリラだった。  だからって、普通にゴリラと呼ばれたい訳では全くない。  しかも『変な顔してうろちょろ』って……花の女子高生に向かってその言語選択、ホントにあーちゃんは容赦ない。 「若菜がいないって探してた。いつもいる屋上に鍵が掛かってるって」 「あ…真咲(まさき)にも開けられなかったんだ」 「ぁあ。俺も駄目だった」 「えっ、それじゃどうやって」  驚く私に、ニッと人懐っこい笑顔を溢すあーちゃん。 「数珠で開けたの」  言いながら、あーちゃんは鞄を探って見せてくれる。  細い色白の手には、陽の光を反射して煌めく、粒が大きめな透明の数珠が握られていた。  私に見せた後、それを左腕に嵌めながらあーちゃんは続ける。 「うち、仏教系の学校だから、そーゆーのに詳しい坊さんがいてさ。そのじーちゃん先生にもらったんだ。で、怪しげな呪文とかも習った。まぁ、それはおまじない程度だって言われたけど」
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