第1章

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「愛梨!こっちこっち!」 私は携帯をバッグの中に放り投げ 慌てて立ち上がった。 ここは、クラブ ラムール。 最近の私達の溜まり場。 和也と別れてからの私は 頻繁に、この店に来るようになった。 「さっきさ、 カウンターで、飲んでたら声かけられちゃった。 でね! 愛梨も一緒に4人で飲もうって! ほら、あそこ!」 千奈美が、目で促した席を チラリと見る。 千奈美の言う通り 確かにかなりのイケメン二人組。 「で、愛梨はどっちが好み?」 「う~ん! どっちもカッコいいけど、しいて言えば ………白の服の方かな?」 「良かった。私、絶対青! うちらの好みって真逆だから 男被らなくて、助かるんだよね。 愛梨 可愛いから、逆立ちしても叶わないもん」 そうに言った千奈美に、 私は気の無い返事をして、 元いた席に歩きだした。
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