氷解

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陽菜子は正直に嘘だったと謝って、周防の要求を退ける事が出来たはず。 だけど、周防の威圧に完全に押されていた陽菜子はたじろいでしまっていた。 「どうしました? 男を知っていたなら、お嬢様は男を誘う為の服の脱ぎ方ぐらいご存知でしょう」 「え?……そ、そんな事」 わからないーーーーそう、言いたいのに、陽菜子は言えなかった。 「さぁ、その服を脱ぎなさい」 冷たい氷のような瞳。 周防の、その瞳に見つめられてーーー陽菜子は、怯えた。 怯えながらも、周防から視線を外せない陽菜子は、もう周防に隷従したのも同じだった。 震える指で、ゆっくりとワンピースの前のボタンを....一つずつ外していった。 周防に隷従する陽菜子。 ワンピースのボタンをすべて外す。 はだけるワンピースを陽菜子はハラリと床に落として。 あられもない姿、ブラとショーツの下着姿になってしまった。 見られる恥ずかしさと、次に周防が何をいうのか...と不安が襲う。 羞恥と不安に駆られた陽菜子が目に涙を溢れさせると、周防は 「お嬢様はまだまだ...子供ですね」 苦笑いして、溜息をついた。 床に落ちたワンピースを拾った周防は、涙目で震える陽菜子の肩に、ワンピースをかけた。 早く、ワンピースのボタンを閉じろとーーー周防は、陽菜子に冷たい瞳を向けて促した。 周防のその行動に、陽菜子は 「私には冷たい目で見るのね...雅美には笑って……」 と、雅美と見つめあう周防のあの光景を思い出してしまい... 「どうして周防は眼鏡をしていない顔……私には向けてくれないの...?」 眉間に皺を寄せて、苦し気に周防を見た。
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