氷解

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「全く……どこまでも俺を惑わして……こんなにも、ここを熟しやがって……」 「あっ……す、周防……やっ、やあぁ」 「何が嫌だ? こんなに濡らして、蕩けて」 「か、身体が………お、おかしい……」 身体が泡立ちながら熱を持つ。 その身体。 奥から、熱が吹きあがって来るようだ。 「た、すけ……あ、あぁ……」 「助けてやんねーよ。お前が、俺の咎を、理性を外したんだ」 周防の眼鏡を外した瞳。 あんなにも、見たいと思っていた周防の熱い瞳は妖艶で情欲の炎を灯していて。 その熱い視線で、陽菜子の身体を突き刺す。 「 達(イ)ケ 」 え?……達(イ)ケ…って、何? その言葉の意味がわからない陽菜子に、周防は「達(イ)クってわかんねーか」と、言って、陽菜子の唇にチュッと優しいキスをした。 「感覚に身を委ねたらいい」 熱を解放しろと、言った周防は 「まず俺の指で、ほら……」 放熱させるために、激しく拡散していく。 「陽菜子が初めて達(イ)クとこ、見てえからな」 だらしなく口を開けている陽菜子を見て、周防は嬉しそうに笑った。 「ほら、陽菜子。涎をどんどん垂らしてるぞ……お前のその顔、もっと見せろよ」 と言った周防の言葉に、陽菜子の身体の奥。 あ、もうダメ! 何かが突きあがってくる。 「あっ、あ、」 息が止まりそうな感覚に、苦しくて。 怖いっ!壊れちゃうっ! 「やぁあぁぁぁあ!」 陽菜子の目の前は真っ白に飛び散た。 世界がなくなった。 陽菜子は……そう思った。 白の世界がやがて薄れていく。 陽菜子の顔を見つめる周防。 焦点の合わない陽菜子の目から、自然に涙がこぼれ落ちていた。 「達(イ)ったか……」 嬉しそうに目を細めて、 「お前の身体………もう、俺なしではいられないようにしてやる」 周防は、また指をゆっくりと動かす。 その抽送にーーー。 声にならない声を上げる陽菜子に周防が「気持ちいいか……」と、聞く。
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