1人が本棚に入れています
本棚に追加
「ボク、お父様とお母様にあんまり神力を使っちゃいけないっていわれてるんだ。そうカンタンには、神力を見せられないよ」
すると、タカシ君が、ノンモを馬鹿にしたようにいいました。
「君、ただの人間の子供じゃないの?」
そんなことをいわれ、ノンモはカンカンになって怒ってしまいました。
「ボクは、人間じゃない! 神さまの子だよ! よーし、見てろ!」
ノンモはそういうと、胸の前で両手をあわせ、
「ノンノンノン…」
と、つぶやくと、庭に置いてあった、タカシ君でも持ち上げられないほどの重い石が、フワリと浮き上がったので、タカシ君は目を丸くしておどろいてしまいました。
「い、石が浮いた! 君、本当に神さまの子なの?」
すると、ノンモは、ほこらしげに胸を張っていいました。
「だから、いったじゃないか! ボクは、神さまの子だって!」
「ノンモ、ボクの体を浮かすことできる?」
「いいよ! タカシ君の体を浮かしてあげる!」
ノンモは、また、胸の前で手をあわせると、
「ノンノンノン…」
と、つぶやきました。すると、タカシ君の体がフワリと浮いたのでタカシ君は、大よろこびしてしまいました。
「すごい! ボク、浮いてるよ!」
タカシ君が叫ぶと、タカシ君の体はすぐに地面に落ちて、しりもちをついてしまいました。
「いてててて…! どうしたの、ノンモ? もっと、ボクの体を浮かしてよ!」
タカシ君にそういわれましたが、ノンモは疲れたようにいいました。
「ボク、もう疲れちゃったよ。ボクの神力は、そんなに長続きしないんだ…」
「そうか。限界があるんだね! よし、ノンモ、ボクの後についてきて!」
タカシ君はそういうと、靴にはきかえて、玄関のドアの鍵をしめると、家から出ていったので、ノンモは、タカシ君のあとを追いかけて行きました。
最初のコメントを投稿しよう!