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お花畑から少しはなれた場所に、白い壁に赤いとんがり屋根がついた塔が何本も建っている御殿がありました。大きな門の両脇には、いかにも強そうな顔をした、ゴルドとシルバという名前の二人の門番が立っています。そこへ、息をはずませて、ノンノ姉さまが走ってきたので、ゴルドもシルバもおどろいて、ノンノ姉さまにかけよりました。
「どうされました、ノンノさま!」
ゴルドが座りこんでいるノンノ姉さまに声をかけると、シルバも心配そうにノンノ姉さまを見つめました。
「た、大変なことになりました!ノンモが、雲から落ちてしまいました!」
ノンノ姉さまの言葉を聞いたゴルドとシルバはおどろいてしまいました。
「お願いです…お母様をお呼びください!」
ノンノ姉さまがそういうと、ゴルドは「はい!」といって、御殿の中へ入って行くと、お母様を連れてノンノ姉さまの所へ戻ってきました。
「ノンモが雲から落ちたというのは本当ですか?」
お母様がノンノ姉さまにたずねると、ノンノ姉さまは、チョウチョがノンモが雲から落ちたことを伝えてくれたことを説明しました。
「まあ、それは、大変だわ!お父様はご用ででかけてるし、私はやらなければならないことがあるし…ノンノ、あなた、ノンモを連れ戻しに行ってはいただけませんか?」
お母様にそういわれ、ノンノ姉さまは「はい!」と返事をしました。
「必ずノンモを連れ戻します!」
ノンノ姉さまはそういうと、
胸の前で両手をあわせ、
「ノンノンノン…」
と、つぶやくと、その体がフワリと浮き上がり、雲の上を飛び、雲の下の人間の町へ降りて行ったのでした。
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