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「ねえ、タカシ君。今度は、どこへ行くの?」
ノンモが聞くと、タカシ君がいいました。
「いつもボクをしかる、担任の前田先生のいる小学校だよ!前田先生、まだいるはずだよ」
「前田先生…いつも、しかるの?」
ノンモが聞くと、タカシ君は怒ったようにいいました。
「そうだよ! 今日だってしかられたんだ! しかえししてやる!」
タカシ君は、意地悪そうに笑うと、やがてタカシ君の通う小学校へ着くと、校舎の中へ入っていきました。
タカシ君とノンモは、校舎の中へ忍び込むと、階段の壁のかげから職員室をうかがっていると、しばらくして、前田先生が職員室から出てきました。
前田先生が廊下をあるいてどこかへ行ったので、タカシ君とノンモは前田先生の後を追いました。
前田先生が校舎の外へ出て行ったので、タカシ君がノンモにいいました。
「今だ、ノンモ! 浮かして落とすんだ!」
タカシ君にいわれ、ノンモは仕方なく胸の前で手をあわせると、
「ノンノンノン…」
と、つぶやいたので、前田先生の体がフワリと浮き上がりました。しかし、前田先生の体はゆっくりと地面に降り、おどろいたように辺りを見回し、中庭のほうへ走って行ってしまいました。
「あれ、どうしたの、ノンモ?もう、疲れちゃったの?」
「いや、違うよ。何か別の力が働いたような気がする…」
ノンモがそういった時でした、どこからか「ノンモ!」という女の子の声が聞こえてきたのです。その声は、ノンモの聞きなれた、ノンノ姉さまの声だったのです。
「ノンノ姉さま?」
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