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ノンモはおどろいて、思わず叫んでしまいました。すると、二人のもとへ、ノンノ姉さまがおごそかに降りてきたので、タカシ君は「だれ?」とノンモに聞くと、のんもは「ボクの姉さま、ノンノ姉さまだよ」と、教えました。
「ノンモ! また神力を悪いことに使っていましたね!」
「ノンノ姉さま、それは、このタカシ君にいわれて…」
「言い訳はけっこうです! 今度は、お母様ばかりか、お父様にもしかられますよ!」
「お父様にも…」
ノンモは、ノンノ姉さまの言葉を聞き、すっかり、うなだれてしまいました。そして、今度は、ノンノ姉さまは、タカシ君を見つめていいました。
「タカシさん、ノンモを悪いことに使わないでください!
あなた、犬にもひどいことをしましたね? 悪いことは、おやめください!」
ノンノ姉さまに、強い調子でいわれたので、タカシ君もうなだれて、「すみません…」と、つぶやいたのでした。
「それでは、私たちは天国へもどります。ノンモ、行きましょう」
ノンノ姉さまはそういうと、胸の前で両手をあわせ、
「ノンノンノン…」
と、つぶやくと、ノンノ姉さまとノンモの体がフワリと浮き上がりました。が、二人の体は、すぐに地面へ降りてしまいました。
「どうなさったのですか、ノンノ姉さま?」
ノンモがたずねると、ノンノ姉さまは、頭をおさえ、その場に座りこんでしまいました。ノンモが心配そうにノンノ姉さまに声をかけると、タカシ君も、どうしたんだろうと、ノンノ姉さまを見つめました。
「な、何だか、急に頭が痛くなって…でも、大丈夫です。ノンモ、行きますよ」
ノンノ姉さまはそういって、再び「ノンノンノン…」とつぶやきましたが、その体が浮くことはありませんでした。
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