3人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな毎日。
コンビニのバイトくらいじゃ土曜とか日曜も入れなきゃ、とてもやってられない。
そして空いた片方の日は、私の完全休息日として、消える。
いつも懊悩を抱えて暮らしてた。
まるで暗い迷路。
行っても行っても、光が見えない。
先が見えない。
自分が声優としてやっていけるのか、自身も確信も持てなかった。
だから私も、決めたのだ。
今の声優業界は、そういう傾向がある。
だから別に私も、そういう方向に進むのも別に抵抗も無かった。
これだけ聞くと枕営業みたいに聞こえるかもしれないが、そうじゃない。
私もそこまで堕ちたくない。
そこまでするくらいなら、田舎に帰って家業のミシン裁縫業を継いだ方がマシだ。
私が選んだのは……アイドル声優、とでも呼ぶべき活動のことだ。
最近の業界では、声優の仕事はかなり多岐に渡っていて、通常の声あて、吹き替えだけではなく、歌を歌ってCDを発売したり、水着になって写真集を出版したり、ラジオのパーソナリティを務めるなど――まぁ、この場合のラジオとはアニメラジオ、通称アニラジのことだが――まるでアイドルまがいのことまでやることもある。
最初のコメントを投稿しよう!