声優

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 そんな毎日。  コンビニのバイトくらいじゃ土曜とか日曜も入れなきゃ、とてもやってられない。  そして空いた片方の日は、私の完全休息日として、消える。  いつも懊悩を抱えて暮らしてた。  まるで暗い迷路。  行っても行っても、光が見えない。  先が見えない。  自分が声優としてやっていけるのか、自身も確信も持てなかった。  だから私も、決めたのだ。  今の声優業界は、そういう傾向がある。  だから別に私も、そういう方向に進むのも別に抵抗も無かった。  これだけ聞くと枕営業みたいに聞こえるかもしれないが、そうじゃない。  私もそこまで堕ちたくない。  そこまでするくらいなら、田舎に帰って家業のミシン裁縫業を継いだ方がマシだ。  私が選んだのは……アイドル声優、とでも呼ぶべき活動のことだ。  最近の業界では、声優の仕事はかなり多岐に渡っていて、通常の声あて、吹き替えだけではなく、歌を歌ってCDを発売したり、水着になって写真集を出版したり、ラジオのパーソナリティを務めるなど――まぁ、この場合のラジオとはアニメラジオ、通称アニラジのことだが――まるでアイドルまがいのことまでやることもある。
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