声優

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 ”だいたい”というところがポイントで、私自身、特に売り物にするところが無いと思ってるのだ。  顔もそれなりだがアイドルには当然及ばず、トークも出来ないことはないが基本的に声は低いし、歌も歌えるが歌手の前にはひれ伏すみたいな。  だからどこかに特化するのではなく全部やってみようということになったのだ。  だが私自身のモチベーションは低く、全体的にやっぱり”だいたい”しかこなしてこなかった。  だが、なぜかそれがウケた。  自分では理由はよくわからなかったが、そういう雑誌の記事を見る限りでは『今までいなかったアイドル声優の、ツンデレキャラ』、『やる気なし、サービス精神なし、だがそれがいい!』、『彼女は僕らに鞭を与えるために光臨して、女神だ』などと書かれていることから、まぁ理由もなんとなく想像できた。  理解は出来ないけど。  なにはともあれ、私は売れるようになった。
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