第2章 絶対キレイになってやる

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【神緒美貴のサロン】 「また来ちゃいました。もう一度カードを引いてもらいたくて」 「どれにしましょうか?」 「じゃあ、今日は、これ」 「では、石のカードで」 リーディングが始まった。 現在過去未来で、流れを読む。 「現在のカードは、インカローズ。ロマンスのカードです。衝撃的な出会いの暗示」 「え?」 「心当たり有りますか?」 (あれは、衝撃的と言えば衝撃的?ひったくりから助けてくれたんだから…「犬が」だけど) (この前は、カップの2で「運命的な出会いの暗示」今日は、インカローズで「ロマンス」) (やっぱりこの人のは当たる?聖霊に引かされるから、占いとは少し違うかも、って言ってたけど…) 「未来のカードは、モルガナイト。真実の愛です」 「真実の愛…」 「愛は形を変える物。時が流れて形が変わっても存在する愛って有りますよね。恋人から夫婦になって、子供が出来たりすると、家族愛になったり」 (この人は、きっと、結婚して幸せなのね。私は、夫を愛していない。愛しているのは娘だけ) 「カードの意味は、今わからなくても、後で「ああ、この事だったのか」と思う事が有りますよ」 (夫に対して愛は存在してない。娘が居るから我慢してるだけよ) (この未来のカードって…) 「60枚のカードの中から、恋愛系のカードを2枚引くんですから、今のテーマは「愛」ですね」 やっぱり宏二の事が気になっていた。 まさか自分の事を好きになるはずが無いと思いながらも、身だしなみに気を使うようになった。 この町に来る時には、特に念入りにオシャレしていた。 駅から電車に乗った。 (今日は会わなかった…そうそう偶然会うはず無いわよね。ツインソウルじゃあるまいし) 数日後娘が食べたいと言う食材が近くのスーパーに無いので、またあの町のスーパーに行った。 買い物を終えてスーパーを出て歩いていると、後ろから声が聞こえる。
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