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【神緒美貴のサロン】
「また来ちゃいました。もう一度カードを引いてもらいたくて」
「どれにしましょうか?」
「じゃあ、今日は、これ」
「では、石のカードで」
リーディングが始まった。
現在過去未来で、流れを読む。
「現在のカードは、インカローズ。ロマンスのカードです。衝撃的な出会いの暗示」
「え?」
「心当たり有りますか?」
(あれは、衝撃的と言えば衝撃的?ひったくりから助けてくれたんだから…「犬が」だけど)
(この前は、カップの2で「運命的な出会いの暗示」今日は、インカローズで「ロマンス」)
(やっぱりこの人のは当たる?聖霊に引かされるから、占いとは少し違うかも、って言ってたけど…)
「未来のカードは、モルガナイト。真実の愛です」
「真実の愛…」
「愛は形を変える物。時が流れて形が変わっても存在する愛って有りますよね。恋人から夫婦になって、子供が出来たりすると、家族愛になったり」
(この人は、きっと、結婚して幸せなのね。私は、夫を愛していない。愛しているのは娘だけ)
「カードの意味は、今わからなくても、後で「ああ、この事だったのか」と思う事が有りますよ」
(夫に対して愛は存在してない。娘が居るから我慢してるだけよ)
(この未来のカードって…)
「60枚のカードの中から、恋愛系のカードを2枚引くんですから、今のテーマは「愛」ですね」
やっぱり宏二の事が気になっていた。
まさか自分の事を好きになるはずが無いと思いながらも、身だしなみに気を使うようになった。
この町に来る時には、特に念入りにオシャレしていた。
駅から電車に乗った。
(今日は会わなかった…そうそう偶然会うはず無いわよね。ツインソウルじゃあるまいし)
数日後娘が食べたいと言う食材が近くのスーパーに無いので、またあの町のスーパーに行った。
買い物を終えてスーパーを出て歩いていると、後ろから声が聞こえる。
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