第2章 絶対キレイになってやる

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「そんなに、引っ張るなよ」 「ハアハアハア」 「待てよ、マックス」 振り返ると、マックスが宏二の手を離れて走って来た。 「マックス君久しぶり!あの時はありがとねー」 ちぎれそうなぐらい尻尾を振るマックス。 「あれ?おばさん…何か感じ変わった?」 (ほらきた、へへ、どうよ?) 双葉は、ドキドキする気持ちを必死に抑えて心の中でそう言った。 「髪切ったんだ…違う人みたいだな」 (何よそれ?) 「マックス君が気づかなかったら、通り過ぎてた?」 「わかるよ。人混みの中に居ても見つける自信有る」 「そういうセリフは、恋人に言いなさい」 「てか、偶然何度も会うなんて、俺達縁が有るのかもな」 「だから、そんなセリフ、オバサンに言ってどうすんのよ」 「今日は、そんなにオバサンぽくないし」 「若作りって事?」 オバサンぽくないと言われて嬉しかった。 (でも、無理して若作りしてるみたいに見えたら嫌だな。気をつけよう) 「ウチのお袋より若い」 「お母さんおいくつ?」 「45」 (やだ、あんまり変わんないじゃない) ショックだった。 それでも彼に惹かれて行く気持ちを、自分でも止める事が出来ない。 「あ、そうだ。はい、マックス君。こないだのお礼」 もし会えたらと、バッグに入れていたビーフジャーキーを出した。 「俺も腹減った。又ね、おばさん」 「又ね…」 (って、又会うのかしら?) 又会えるのだろうか? 又会いたい、と双葉は思った。 でも、そうそう偶然が重なるとも思えなかった。 (ああ、でも、ここはマックス君の散歩コースみたい…だからって近くに住んでても全然会わない人も居るわよね) 電車に乗ると、メールが来た。 「オヤツありがとう、U^ェ^U ワン!」 「どういたしまして(=´∇`=)にゃん」 (何が「人混みの中に居ても見つける自信有る」よ…何が「縁が有るのかもな」よ…恋人が居るくせに) その夜、いつものようにブログを読んだ。 気になる記事を見つけた。
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