第3章 夢なら覚めて、覚めないで

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「双葉お待たせ」 「ああ、友美。久し振りー」 そして、親友の友美に、宏二の事を話した。 「へー、偶然て、有るものね」 「そうなのよ。偶然何度も会うなんて、不思議でしょう?」 「まあ、無くはないと思うけどね」 「そうかも知れないけどさ」 「双葉が、運命の相手と思いたいだけじゃないの?」 (そうなのかな…?) それにしても、偶然が重なり過ぎだ。 同じ日に物が壊れて家電量販店で会うのはどうだろう? と双葉は思った。 「ソウルメイトだかツインソウルだか知らないけど、不倫の言い訳したいだけじゃないの?」 「不倫なんかしてないわよ、まだ!」 (まだ?) この先チャンスが有ればするのだろうか? (この私が不倫?) そりゃ夫はあんな人だけど、家庭を壊す気は無い。 娘の為にも… そう思っていた。 友美ならわかってくれると思っていたのに… なんだかムシャクシャした。 久し振りに沢山呑んだ。 気がつけば記憶が飛んでいた。 「おい、双葉。飲み過ぎだぞ」 「なーに言ってんのよー。まーだ呑むわよー」 「もう、やめとけよ。友美先に帰ったぞ」 (あ…天井が…回って…るー) 「おいおい、大丈夫か?フラフラしてるぞ」 「だーいじょーぶよー」 「送って行ってやりたいけど。まだ店閉められないし」 若い頃は、良く3人で呑んだものだ。 記憶が無くなるなんて、珍しい事では無かった。 ただ、主婦になってから、こんなになるまで呑んだ事は無かった。 夫がウルサイからだ。
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