7人が本棚に入れています
本棚に追加
「自分は、呑んで暴れるくせに何よ。たまに私が酔っ払うぐらい、良いじゃないのよ」
「はあ?」
「昨日だって、暴れたじゃないよ」
「何だ…旦那の事か」
店の出入り口まで、三津谷が支えてくれた。
「本当に1人で帰れるか?」
「大丈夫、大丈夫ー」
「俺さ、お前の事が心配で…何だよ、40にもなってから、そんなに綺麗になりやがって」
「綺麗?今綺麗って言った?」
酔っているので、心の声がダダ漏れになっていた。
「大学の時、告白しとけば良かったよ」
「へ?」
「あんな男と結婚しやがって」
「本当…あんな男と…何で結婚しちゃったんだろ…私」
「俺、ずっと好きだったんだぞ」
「聞かなかった事にしよー」
「ああ、どうせ、明日は覚えてないだろ。だから言ってる俺も、情け無いけど」
【繁華街】
居酒屋を出ても、まだフラフラと歩いていた。
「なーに言っちゃってんのよー」
全く本気にしていなかった。
しばらく歩いていたけれど、どっちに行けば良いのかわからなくなった。
その時…
「おばさんじゃん」
「どーせ私は、オバサンですよー」
「酔っ払い」
それから記憶が飛んでいた。
気がつけば部屋の天井が回っていた。
ここは…どこ?
知らない部屋だった。
「え?何で、宏二君?」
「何言ってんの?一緒に呑んでたじゃん」
「え?」
宏二と会ってから、一緒に呑んだ記憶が消えていた。
辺りを見回した。
「ここって?」
ここはどこ?私は誰?になっていた。
「ラブホ」
最初のコメントを投稿しよう!