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「ラブホって…ラブホテル?!」
一気に酔いが覚めた…気がした。
それでもまだ天井が回っている。
双葉の頭の中もグルグルしている。
「シャワー浴びて来なよ」
言われるままシャワーを浴びた。
「じゃあ俺も」
(これは不倫?まだ離婚してないから、不倫になるわよね?)
何度も離婚を考えたけど、娘の事を考えると出来なかった。
(なんて、考えてる場合じゃなかった。逃げるなら今よ、双葉)
そんなこんなと考えているうちに、彼が出て来た。
宏二は優しく双葉の着ている物を脱がせた。
何もかもが夫とは違っていた。
今迄知っているどの男よりも良かった。
男女の夜がこんなにも甘く幸せな物かと、双葉は初めて知った。
そして、とっても切なかった。
(これは、夢よ、夢。目が覚めたら、家のベッドの上なのよ…きっと)
酔いはどんどん覚めて行く。
夢の方は、覚める気配が無い。
隣には、18才年下の大学生三条宏二。
(どうしよう…)
とても複雑な気持ちだった。
幸せと罪悪感。
夫への罪の意識よりも、宏二への気持ちだった。
(こんな若い子が、こんなオバサンとこんな事になっちゃって…)
「やっぱり俺達縁が有ったね」
「何言ってるのよ。こんなオバサンと」
「いつか、こうなる気がしてたんだ」
「何言ってるのよ、若い彼女居るんでしょう?」
彼女が居る事を、知らないフリしてそう言った。
「居るよ」
(ほらね)
「おばさんだって、結婚してんじゃん」
(それは…そうだけど…)
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