第4章 まさかツインソウル?

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あの日から宏二とは会っていない。 メールも来ない。 会えない時間が、途轍もなく長い時のように感じていた。 カレンダーを見る双葉。 (この前会ったのは、11月の27日…今日は、12月10日…) (こっちからメールしてみる?それとも電話?) いやいや、と激しく首を横に振った。 (そうだ、ゲーム。ゲームの中でなら、宏二君と会える) (でも、若い女の子だと思われてるけど…) それでも彼とチャット出来るなら、それだけで良かった。 パソコンで「ドラゴン王国」にアクセスした。 グラフィックがロードされる時間ももどかしかった。 (早く早く。本当、遅いんだから) 彼がインしているかわからないけど、とにかくプレーした。 ゲームの進行そっちのけで宏二のキャラ、マックスを探した。 「あ、でも…」 そのキャラが本当にあの宏二なのか、確かめていなかった。 (バカみたい…何やってんだろ?私…) カレンダーに目をやる。 (そろそろ若葉のクリスマスプレゼントを買いに行かなきゃ) 駅から電車に乗って、3つ目で降りた。 宏二が住んでいると思われるあの駅だ。 (また、来ちゃった…だって、ここまで来ないとデパート無いんだもん) 【デパート】 店内は、クリスマスの飾り付けがされていて、各店舗では、クリスマスコーナーが有ったり、華やいでいた。 (ウキウキするわね。やっぱり娘の事を考えてる時が一番幸せだわ) 若葉の事を考えている時だけは、一瞬でも宏二の事は忘れていた。
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