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あの日から宏二とは会っていない。
メールも来ない。
会えない時間が、途轍もなく長い時のように感じていた。
カレンダーを見る双葉。
(この前会ったのは、11月の27日…今日は、12月10日…)
(こっちからメールしてみる?それとも電話?)
いやいや、と激しく首を横に振った。
(そうだ、ゲーム。ゲームの中でなら、宏二君と会える)
(でも、若い女の子だと思われてるけど…)
それでも彼とチャット出来るなら、それだけで良かった。
パソコンで「ドラゴン王国」にアクセスした。
グラフィックがロードされる時間ももどかしかった。
(早く早く。本当、遅いんだから)
彼がインしているかわからないけど、とにかくプレーした。
ゲームの進行そっちのけで宏二のキャラ、マックスを探した。
「あ、でも…」
そのキャラが本当にあの宏二なのか、確かめていなかった。
(バカみたい…何やってんだろ?私…)
カレンダーに目をやる。
(そろそろ若葉のクリスマスプレゼントを買いに行かなきゃ)
駅から電車に乗って、3つ目で降りた。
宏二が住んでいると思われるあの駅だ。
(また、来ちゃった…だって、ここまで来ないとデパート無いんだもん)
【デパート】
店内は、クリスマスの飾り付けがされていて、各店舗では、クリスマスコーナーが有ったり、華やいでいた。
(ウキウキするわね。やっぱり娘の事を考えてる時が一番幸せだわ)
若葉の事を考えている時だけは、一瞬でも宏二の事は忘れていた。
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