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(小学生までは、私の買って来た服を素直に着てくれてたけど…)
若葉も15才だ。
ファッションにもうるさくなって来て、親が選んだ物を喜んで着なくなっている。
それでも、プレゼントなら双葉が選べる。
それが嬉しかった。
つい、子供服を見てしまう。
(わー可愛い。若葉もこんな小ちゃいの着てたのよねー)
婦人服売り場に行った。
冬物のコートを買った。
(「ダサい」とか言って着てくれなかったらどうしよう…?)
(まっ、その時は私が着れば良いだけよ。…ちょっと派手だけど)
紳士服売り場を通りかかった。
夫の物は最初から買うつもりは無かった。
でも、何と無くエスカレーターを降りてみた。
若い男性に似合いそうなダウン。
買ってしまった。
(会えるかわからないけど…宏二君のクリスマスプレゼント)
(でも、どこにしまっとこう?まあ、見つかったら「お父さんの」って言えば良いか…)
夫の物にしては、若い感じだった。
(あの人には似合わないわね…宏二君に会えなかったら、三津谷にでもあげれば良いっか)
駅から電車に乗った。
(今日は合わなかったな…)
でも、あんな事になって、どんな顔して会えば良いのだろう?
と、思ったりもした。
【三枝家】
家に帰ると、プレゼントの隠し場所を探した。
見つかった時の言い訳は考えていたけど、それでもドキドキした。
(考えても仕方ないわよ。買っちゃったんだもん)
ケーキも予約して有るし、当日は料理を作るだけだ。
若葉が喜んでくれれば、それで良い。
双葉は、そう思った。
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