第4章 まさかツインソウル?

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(小学生までは、私の買って来た服を素直に着てくれてたけど…) 若葉も15才だ。 ファッションにもうるさくなって来て、親が選んだ物を喜んで着なくなっている。 それでも、プレゼントなら双葉が選べる。 それが嬉しかった。 つい、子供服を見てしまう。 (わー可愛い。若葉もこんな小ちゃいの着てたのよねー) 婦人服売り場に行った。 冬物のコートを買った。 (「ダサい」とか言って着てくれなかったらどうしよう…?) (まっ、その時は私が着れば良いだけよ。…ちょっと派手だけど) 紳士服売り場を通りかかった。 夫の物は最初から買うつもりは無かった。 でも、何と無くエスカレーターを降りてみた。 若い男性に似合いそうなダウン。 買ってしまった。 (会えるかわからないけど…宏二君のクリスマスプレゼント) (でも、どこにしまっとこう?まあ、見つかったら「お父さんの」って言えば良いか…) 夫の物にしては、若い感じだった。 (あの人には似合わないわね…宏二君に会えなかったら、三津谷にでもあげれば良いっか) 駅から電車に乗った。 (今日は合わなかったな…) でも、あんな事になって、どんな顔して会えば良いのだろう? と、思ったりもした。 【三枝家】 家に帰ると、プレゼントの隠し場所を探した。 見つかった時の言い訳は考えていたけど、それでもドキドキした。 (考えても仕方ないわよ。買っちゃったんだもん) ケーキも予約して有るし、当日は料理を作るだけだ。 若葉が喜んでくれれば、それで良い。 双葉は、そう思った。
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