第1章 タロット

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ネットでソウルメイトを調べていて気になる記事を見つけた。 「ツインソウル?何それ?」 〈ツインソウルは双子の魂で、1人に12人居て1割以下が同性…ツインソウルは、恋愛関係になりたがる…〉 〈巡り会うのがとても難しく、今生にツインソウルが居ない人も…〉 「へー…じゃあ違うわよね」 〈ツインソウルはシンクロする。驚くような偶然が有る。それは偶然ではなく必然である…どちらかが風邪をひくと、同じ時に相手も風邪をひいていたりする〉 (偶然会ったけど…洗濯機が壊れて…宏二君も携帯が壊れたんだった) (偶然よ、偶然…) 「魂…ね…」 〈ツインソウルは、わけもわからず涙が溢れる時が有る…手や爪がそっくり〉 「良く見れば良かった」 〈ツインソウルは、巡り会うと相手の今迄の事を知りたがる…以前住んでいた所や行動範囲が同じだったりする〉 「へー、これは聞いてみたい」 〈ツインソウルは、一筋縄ではいかない。どちらか、又は両方が結婚又は恋人が居る状態で巡り会う事が多い…〉 〈ツインソウルは、タイプではないのに何故か強く惹かれたりする… 年の差などの障害が多い…〉 「まさか…違うわよね…」 まさか、まさかと思いながら、心のどこかでツインソウルなのではないかと思い始めていた。 〈コイツに違いないと思う…ツインレイはエネルギーが繋がるから本当に自分でわかる〉 「ツインレイって何?エネルギー?そんなの知らないわよ。コイツに違いないって…確信が欲しいから調べてるんじゃない」 〈強く惹かれ合いながら、肉体的な関係を持たないツインソウルも居る…結婚するかしないか、それは課題によって決められている〉 「課題?」 【並木道】 美貴のサロンの前。 (あのタロット、当たってる気がする。ソウルメイトかツインソウルか、そんなのわかんないけど、神緒さんが言ってた運命的な出会いって、宏二君の事だわ) ふと通りの向こう側を見ると、宏二が居る。 「あっ」 ドキドキした。 店から出て来たようだ。 後から同じ年頃の女の子が出て来て腕を組んだ。 双葉は胸を突かれた。 とても痛かった。 (なーんだ…彼女…居たんじゃない) 涙が溢れて来た。 (え?何で涙?やだ、私…涙が勝手に…バカね…こんなオバサン好きになるわけないじゃない)
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