8人が本棚に入れています
本棚に追加
「あちきはあんさん1人のモノでありんす…
もう、離しません!」
血塗れの花魁・貞奴の最期の台詞に、観客席からはすすり泣きが聞こえて来た。
その役になりきっている奈津子の瞳は虚ろで、クスクスと狂気の笑い声を上げる…
「あちきも行きますえ…行きますえ!」
※※※※※※※
「凄かった!
チケット取れて本当に良かったー!」
「君の強運がこんな素晴らしい機会を引き寄せたんだ。
私も改めて、奈津子姐さんの凄さを認識出来たよ…」
観客席からエントランスホールに出てきた時、2人に声をかけた人が居る。
「先生、晶ちゃん、こっちです!」
ありす…普段はメイクアップアーティスト見習いで奈津子に付き添う、彼女だ。
最初のコメントを投稿しよう!